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Seasons

Seasons
Blexbolex,
Claudia Bedrick
Enchanted Lion Books  2010

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おみやげでいただいたこちらの本。

4つの季節をめぐる、単色を重ねたノスタルジックなイラストのワードブック。
ただし、A is an apple. にあらず。

こんな感じ

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と、見開きひとつの展開もあれば
2ページ3ページと続くイメージの連鎖、
と思ったら、

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ふしぎな挿入

それで忘れたころにふっと思い起こされる記憶

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どれもふふっと笑えて面白い!
前半に出てきたプルーンが
途中ちらちらとさりげなく木としてひやかしにあらわれたり
どんっと大迫力のドライプルーンになって再登場したり
いたずらかげんがかわいらしい。
いろんなイメージが連鎖して交差して消えたりよみがえったり。
トンツートンツー、トトンツーツー
トントントントン、ツートントン。
リズムも変則的で、音楽のようです。

単語レベルも自分にはギリギリのラインで、
辞書でひきひき解釈する感じがまたパズルを読み解くようで楽しい。

誰かと一緒にゴロゴロと、あーだこうだと言いながらのんびり眺めていたい本です

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丸と四角の世界

丸と四角の世界
フランス童話集 シンデレラ/赤ずきんちゃん
構成 ジャン・アッシュ
さ・え・ら書房 1975
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登場人物が暗号化された絵本。前代未聞!
例えばシンデレラ。
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さてこちらはなんのシーンでしょう。
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こたえ
簡単だったかな。
シンデレラがガラスの靴を置いてきてしまう名場面、階段シーン。

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ムッシュムニエルをごしょうかいします

ムッシュムニエルをごしょうかいします

作 佐々木マキ
絵本館

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「ムッシュ・ムニエルのサーカス」
「ムッシュ・ムニエルとおつきさま」
と、あわせて三部作のシリーズ。

ご覧の通り主人公は黒目があっちここっち向いたマッドネスなヤギくん。
こんなにのほほんとした絵なのに、
なんだろこの緊張感は。
ひょうひょうと街を歩きまわった末
「それじゃまたあおう、グッド・バイ」と、唐突に去る。

さっぱりしたいさぎよい絵本。おかしな世界感は独特で、いちころです。

佐々木マキさんといえば小学校の時
ぺ―プサートで「やっぱりオオカミ」を何人かで作った思い出が。

でもよく調べてみれば、60年代ガロでデビューをはたした漫画家さんがはじまりだった様子。
しかも男性。
漫画「うみべのまち」を立ち読みしたら
絵本の呼吸感やさばさばした雰囲気も、なるほどナットク
こんどちゃんと読んでみよう。

同じく初期につくられた「変なお茶会」も
何かインスピレーションを得たい時などにおすすめです。

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二つのオランダ人形の冒険

二つのオランダ人形の冒険
原題 「The Adventures of Two Dutch Dolls」1895年

絵 フローレンス・K・アプトン
文 バーサ・H・アプトン
訳 もも ゆりこ
ほるぷ出版1988年

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19世紀後半は、印刷技術の発明において大いに活気に満ちた時期です。
木版画、銅版画、エッチング、石版画等とあらゆる表現方法が登場。
優れた挿絵による大衆向けの読み物、すなわち絵本は、
量産、販売などの環境も整備されたこの頃から
ぐいぐい勢いづいてゆくわけです。

そんな中にうまれたこちらの絵本
ハーフトーンが美しい石版画で描かれた、やさしい語り口のお話です。

日本でも第一次世界大戦が終わりを告げた1920年代
木版ではないカラー印刷が発達し「子供乃友」や「赤い鳥」「コドモノクニ」などの絵雑誌が流行しましたが、
その原型とも思われる世界観。
やさしいんです、どれもこれも。

「ごきげんよろしゅうおしゃれさん あたしもおめかししてみたい」
とか
「はずみでふたりの手ははなれ かたいゆかに ずってんどう!」
とか。

「ずってんどう!」。なんてのん気な。

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アプトンはその後、黒人の人形「ゴリウィグ(ゴーリーとも)」をヒーローに仕立てて続編をどんどん出します。
キャラクター商品もたくさんできて、大人気だったそう。

現在絶版です。
復刊を願う方はぜひ投票してみてください。

復刊ドットコム→二つのオランダ人形の冒険

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どろぼう夫婦

どろぼう夫婦

児島なおみ リブロポート

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近所のことなら何でも知っている物知りじいさんから、お隣はどろぼう夫婦だと教えられたぼく。
観察し続けるぼく。
何を見ても怪しいとしか思えない。
どうやらいよいよその夫婦が銀行強盗にでかけるようだ!
さあどうなった!

……という、「ぼく」以外の読者全員が「泥棒じゃないしなんにもおこらない」事を知った上で「ぼく」の興奮に付き合い続けるというお話。

結局夫婦は引っ越して、別の夫婦が越してくるのだけれど、
どうも今度はスパイらしい。
また見張らねば…と、「ぼく」の真剣な空回りが始まるところでお話は終わる。

こーんなに最後まで何も起こらない絵本は、最近とんと見かけない!
絵もいい

突飛な設定や激しい起承転結のインパクト系絵本はやはり一瞬目を引きますが、
こういう、少し地味ながら毛色の違うテンションの絵本は、
ずっと長くかみしめていたい気持ちにさせられます。

ちなみに著者はこのデビュー作に続く2作目の『空とぶおばあさん』で
American Institute of Graphic Arts 絵本部門賞を受賞しました。

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クリスマスの絵本

クリスマスの絵本を2冊ご紹介。

が、その前に。

こどもにクリスマスを説明しようとすると、導入についイエス・キリストを持ち出しがち
挙句宗教・思想へと話は混線、こどもは遠い目…

そもそもイエス誕生のお祭りであるはずのクリスマスに
紅白配色のめでたきご老人が、なぜプレゼントを配り歩くのか?
己をも混沌の淵へと落とし込むことになります。

そんな誰もが一度はもつであろうこの疑問、
こちらがとっても詳しく教えてくれました。

サンタクロースとは
貧しい人や子供達を助けたなどの伝説で多くの人に慕われた、
4世紀に実在した聖ニコラス (Saint Nicholas) が原型。

以後12月6日は聖ニコラス祭りとしてパレードなどが行われるようになりましたが
イエスの誕生の祭事や冬至祭、
その他にもヨーロッパの各地、その地域の風習と結びつきながらさまざまなお祭りが融合し、形を変え、
移民と共にアメリカなどに伝わったのだそう。
今の日本におけるクリスマスのスタイルはそんなアメリカのスタイルの、商業的なほんの一部分なのでしょう。

こどものころたまたま幼稚園がカトリックだったこともあって、
「クリスマス」といえばイエス誕生の厳かなイメージが先行していて、
クリスマス=サンタクロースなる発想はむしろ恥ずかしいことだと思っていましたが、
今考えてみれば
聖ニコラスのお話の方が、ずいぶんしっくりします。

「良い子にしていればサンタクロースがやってくる」
という殺し文句は今でも好きではありませんが、
毎日頑張っているご褒美的なプレゼントを配ってくれるサンタクロース、
なんていうのがいても
イエスさまを突然引っ張り出してくるよりいいかもしれないと思う。

そんなわけで一冊目は

「サンタ・クロースからの手紙」J.R.Rトールキン

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指輪物語の著者トールキンが、もとい!サンタクロースが、
四人のこどもたちのために書いた絵と手紙をまとめた絵本。

サンタクロースの字がわなわな震えています。
相棒の白くまがいつもなにかをやらかして、そのぼやきなんかがかいてあるのだけれど
たまに白くま自身がみじかい手紙を送ってくることもある。くまいわく、「北極語」の!
自分北極語だから、英語のつづりがちがうかもしんないけど、とかなんとかいいわけしながら。

訳書もいくつかあって、それぞれ編集が違うのですが
せたていじさん訳のこちらも、ページ数が原著よりもぐっと少ないですが、ユーモアたっぷりでおすすめです。

誰かになりかわって手紙を送り続ける。しかも自宅に。
考えただけでなんだか楽しい、やってみよう。

もう一冊は、

「クリスマスものがたり」ワイルドスミス

イエスの誕生を少し変わった視点で描いていますが
これはとにかく絵本として素敵。
「クリスマスってなに?」の問いにはなりませんが
少し不思議で特別な、ある物語のひとつとして楽しめます。

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あけるな

あけるな

買ったきっかけ:
復刊ドットコムで見事に復刊。待ってました!の一冊でした

感想:
「あけるな」とかかれた扉を
「これがあけられずにいられるかい」と
ずんずん開けていく乱暴さがいさぎよい。

まるで
「ルールってのはね、破る為にあるんだよ!」

と言わんばかりの、ひひひ、なひみつな教えを
あーいえばこ―いうふうになってきた3歳児を日頃は大声で制しつつ
心の奥では密かに推奨しています。

「とびらってのはね、あけるためにあるんだよ!」

ダメと言ったことはしないでほしい。
でもダメと言われたからといって
おとなしくそこにある扉をあけないできちんと守るような子には、ならないでほしい。

複雑なおやごころ。

ちょっとした悪い事をこっそりと教える大人は、いた方がおもしろい。
そんな役目をになう本。

おすすめポイント:
そしていっぱい冒険とわるさを楽しんだら、
やっぱりおうちへ帰るんです。
オレンジ色の明かりと夕飯のあったかいゆげ

悲しくても嬉しくても
つまらなくてもおなかがすいて倒れそうでも、
「おかえりー」と降ってくる明るいのびやかなトーンは
いつもいつもいつも同じで
ずけずけしていて鬱陶しくて

そんな幼少期のにおい

あけるな

著者:谷川 俊太郎

あけるな

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Kveta Pacovska クヴィエタ・パツォウスカー

Kveta Pacovska  クヴィエタ・パツォウスカー

1928年、プラハに生まれた彼女は、
オペラ歌手の父、外国語教師の母のもとに育ちました。

本と絵と音楽に囲まれた子ども時代でしたが、
ナチスの台頭によりユダヤ人の父が殺され、
13歳から4年間は学校に通えませんでした。
戦後奨学金を得てプラハの美術学校で応用美術を学び、
絵本の他リトグラフや立体、コンセプチュアル・アートの制作を始めます。                    

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イラストで何より特徴的なのは
カッ と見開かれたまなこや、赤・緑・黒を基調としたビビッドな配色。
奇妙な生きものたちが多く登場しますが、
そら恐ろしい生々しさを持ちながらどことなく人懐こく、
気付けばふところに2、3匹入ってきている風。なんと図々しい!

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「まよなかごっこ」
で私はしっかりあれらにへばりつかれて
以来気になってしょうがないアーティストの一人です。

で、この「まよなかごっこ」。

ムナーリの代表作「THE CIRCUS IN THE MIST」同様、
ひっそりとした序盤からいろどりの饗宴、
そしてまたおとずれる静寂…というつくり。
現在出ている日本語版が二冊とも谷川俊太郎さんのせいか
いっそう似た雰囲気をうけます。

遊び心もめいいっぱい。
徹頭徹尾ページは穴だらけだし、
お月さまはぶらぶらひもでぶらさがり、
ページのどこにでも自由に出没します。
出演者は首から胴体からめくるめく七変化、
おもちゃと絵本のボーダーラインが曖昧!
想像力さえあれば一日子供とあそび続けられるんではあるまいかな。

同著「ふしぎなかず」も、これでもかというしかけとびらの数々。
中古で入手したのですが、
前の持ち主さんがおそらく見過ごしたんであろう
新品のとびらを発見。

ぴりっとあけるとつるんとした生きものが
「まってました!」とばかりとびだしてきました。

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ウエスト・ウィング

ウエスト・ウイング  エドワード・ゴーリー
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私の好きな作家の中で筆頭にあがるのが、エドワード・ゴーリー。
「うろんな客」の和訳本が発売されて以来、
私の中の絵本像がぐるぐるとミキシングされ、
混沌の渦の中、今もなお翻弄されつづけているのです。
こんな本があっていいものかと
中でもとりわけ好きなのが、この「ウエスト・ウイング」。
サイレントホラー映画のごとく音なきショットの連続は、
何モノかにめくり続けることを強いられるかの様、
挙句震撼の果てに笑いを誘うという
自身奇妙極まりない境地へといざなう本。
ゴーリーの変人ぶりが詰まったスペシャルインタビュー本「どんどん変に…」でも
彼はこう言っています。
「どういうわけかわたしはみんなを少しだけ―すべての事柄について―不安にするのがとても好きなんです」
享年75歳、2000年に心臓発作で亡くなったゴーリーですが、
絵本を手掛けて10年ほどもたったころ
1冊の本のプロットを、ほとんど3分間で思いつけるようになっていたという。
また、手持ちのアイデアを死ぬまでに全部できるわけがない、ともぼやいている。

愛したもの―バレエ、ミステリー、源氏物語、それに、なによりも猫!
膨大な数の作品を読破するすべはないけれど
こちらの本では、少しだけ、迫ることができた気分です。

どんどん変に…―エドワード・ゴーリーインタビュー集成

買ったきっかけ:
ゴーリーの深淵にせまりたくて

感想:
生き方を変えてもいいかなと思った。

おすすめポイント:
彼は源氏物語の登場人物の名をつけた6匹の猫と生涯を共にしました。
猫好きの方は特に、彼の性質に共感できるかもしれない

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死神さんとアヒルさん

死神さんとアヒルさん

買ったきっかけ:
立ち読み

感想:
「うれしい、やっと気づいてくれたのね。あたし、死神なの。」

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でもふれましたが、
いのちのついて考える絵本として紹介され
ています。

2人の距離はつかずはなれず。
さほど仲良くも悪くもなく
常にひたりと寄り添っています

ワンピースを着た死神さんによる
死をおしえるためのやわらかな絵本。

おすすめポイント:
子供が「死ぬ」という単語を使い始めたら、読んであげるといいと思った。
特別なことじゃないけど静かなものだってことが、なんとなく感じられればいいかなと

死神さんとアヒルさん

著者:ヴォルフ エァルブルッフ

死神さんとアヒルさん

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