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ユメミドリ 2011

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                  「ユメミドリ」    
             
                                 
 

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23  この彼女、文句をたらたら言っている。
 「身体は文句と悪口でできている」というくらい、
 いつも文句をたれながし。
 ある日は空を飛びたがり、すべがなく文句を言った。いつもの光景だ。

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 そんな折、サーカスをみた。
 満員御礼 拍手喝采、本日のスターはブランコ乗り。
 「っふん、たいしたことないじゃない、」彼女は鼻を鳴らす。
            

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 「私だってもし飛べたら、あんなのよりもっともっと喝采を浴びるんだわ!」

 それで風をとらえる大きな布をまとい彼女は飛んでみた。
 さあ、どうなった?

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 あえなく失敗。
 手の甲 うでに ひじにひざ、あちらこちらが傷だらけ。
 「っち、」彼女は舌打ちをひとつして
 かさぶたをいじくりまさぐりはがす。

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 するとなんと。
         
 傷口はうるうると景色をうつしこみ
 なんともふしぎなもようをうかべている。

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  「きれい!」思わずペタン
  傷口の赤をおしあてる。
  紙にはみたこともないもようがじわりと花ひらいた。

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 「すてきすてきすてき!」
 みるみる連なるいろかたち
 珍しくいい気分になった彼女は、
 傷口スタンプをなかなかやめない。
          


  ―と、その時。フタらしきがポロリとおちて

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彼女の‘なかみ’ が          ああ、‘なかみ’が!

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 ‘なかみ’がたちまちにしてぞろぞろふき出てきた。

  またそのみにくいことといったら!
  腐りものの如き悪臭に鼻が曲がり、目も染みるほどだった。

         

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 さらに驚くべきことに
 ひとしきり‘なかみ’が出っきると
 彼女はまさに有頂天、
 天高く舞い上がったのだ。
 「わたし飛んでる?やったわ、わたしやったわ!」

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 そんな彼女を見に人々が集まった。
 「どう?」得意気な彼女に人々は仰天、どうもただならぬ雰囲気だ。

 なぜって?
 みて、みてごらん!

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  ‘なかみ’が出きった彼女はもはやモヌケのカラッポ。
     なんと皮一枚でヒラヒラただよっていたのだった。

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 「こんなのやだわ!たすけて!」
        
 皆の助けで事なきをえた彼女だったが
 逃げてった‘なかみ’の行方は誰も知らない。
          
 かくして彼女は閉じ込められた。
 
何処かへ飛んじゃあ骨折りだ。
 ‘なかみ’が空っぽの‘薄っぺらちゃん’は、
 部屋の中をひらひらと
 あてなくただようしかできなくなったんだとさ。

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  「私この先どうすれば?」さめざめと彼女、文句を言う元気もない。

 そうだな、要は何かでみたせばいい。
 どうせならくさいんじゃなくって‘いいもの’で、
 身体がぱんぱんにふくれればいいい。
 
 そのためにはさ以下3カ条を守れるかい?

 1、まずは泣くのをやめること!
 2、そして文句もやめること
 3、最後に毎日笑うこと!

                       

                         :::

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 さて
 かくしてこちらはその後の彼女。
 ――え、いない?そう、いないんだ。
 ‘薄っぺらちゃん’が横向きに立ってるわけでもない。
 正確に言うと、「文句たらたらの彼女」は、もういない。
 すっかり元に戻ってさ、
 どこかで楽しくやっているといううわさ。





           
        

                                

           めでたしめでたし。

 


「ユメミドリ」2011 Mika Furusawa©


31ページ    シャープペンシル、色鉛筆、、アクリル絵具  コラージュ

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The Seeds

2007, 29ぺ―ジ

シャープペンシル、ケント紙

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雨はふりそそぎ大地へ還る。

眠る種子は目覚め、生き、放たれ、

再び大地へ還る。

なにもなにも大地を離れ、

なにもなにも大地へ還る。

広く厚く感受して

大地は静かにそこにある。

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本の穴

2009,13ページ しかけ絵本

コラージュ、わら半紙

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薄暗い図書館、書棚からひっそりのびる青い手…

差し出された本を開けば

ヒラリ飛び立つ蝶が一羽に、どこぞのお方。

「のぞいてごらん」

本にあいた小さな穴からはいざなうが如き

‘あちら側’の香り甘く、色彩あふれる鮮やかな虹色がもれるのだった。

(以下抜粋)

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毳玉男

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古澤 美佳 著 パロル舎 版
2007年02月 発行 ページ 1サツ サイズ A5ハードカバー 
2,100円(2,000円+税)
ISBN 978-4-89419-065-8 (4-89419-065-6) C-CODE 0095 NDC 911.56

狂氣、陰湿、滑稽、淫靡、惡魔的挑發的獨尊稀有之是言説。
虚言者毳根博士ノ正体トハ。

さても毳根にこだわるか。
毳根研究に命を懸ける某博士、その停頓を打開する方法は如何。
そのとき現われし一人の美男子…。
アングラ世界の摩訶不思議な一冊。

書店にて好評発売中

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