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「複合回路」vol.1 Cave Yukihiro Taguchi

地下室へと続く階段を降りると
Caveと呼ぶにふさわしい暗闇の中で
思わずおかしく心がざわつく感覚を覚えた。

3人のキュレーターが通底する問題意識を共有しつつ
独自の観点から作家を選出し展覧会を作り上げるという企画、「複合回路」の第一弾目の展示である。

今回の問題意識とは、他者に「開かれ」「結びつけられて」いく方向性をもつ事。

この展示caveもまた鑑賞者との参加と共有、コミュニケーションによりうみだされたものである。

さて先程の地下室にへと話は戻る。

地下のほの暗い明かりに照らされた一室は
ただごとではない。

モップや脚立、車輪に扇風機、ありとあらゆる道具や生活雑貨たちが積まれ、散乱し、落ちている。
ただ「雑然と放置され埃をかぶった無用のものたち」とは違う、
「それぞれは何かわけがあってそこにある」という息遣いがある。まるで何かの途中、という感じ。

とにかく、「どこか変」で「ただごとではない」モノたちに、
思わず何事だろうとわけを知りたくなる。

答えは洞窟の奥にあった。
プロジェクターに映しだされる動くモノたち。
モノたちが一様に動き出す。
列を組み、
重なりあいまた崩れ、
シーツをかぶり、
踊り、連なり、練り歩く。

室内に、大きく歪みかさなり縮みのびる淡い影。
鑑賞者が現れまた去る。
アーティストが横切る。

一斉に制止する。


プラトンの洞窟の比喩にヒントを得ているという。
地下のギャラリーを洞窟に見たて
うごめくモノたち ゆらめく影 重なる自分のかたち
実像と虚像、虚像の虚像、そしてそれらの反転、風景の変化。 

その一切を展示初日から最終日までをデジタルカメラで記録し、
画像をつなぎ合わせたストップモーション映像のぎこちない流動と音楽が心地よく
自分のいる立ち位置がよくわからなくなってくる。

アーティストの田口行弘さんはベルリン在住の現代美術アーティスト。
代表作である「moment」シリーズは
ギャラリーの床板をはがし日々違う形で展示し
それらの記録を一本のアニメーションとして制作したもの。
文化庁メディア芸術祭でも優秀賞を受賞され名実ともに今後が期待されるアーティストです。
Img2010030520543455956800

Yukihiro Taguchi
http://yukihirotaguchi.com/

gallery αM
http://www.musabi.ac.jp/gallery/

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