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巷房  近藤英樹展 

植物や発芽をテーマに制作をしている版画家・近藤英樹さん。
彼が生み出す対象は
画面をゆらゆらと浮かびただよい
自由でひっそりとあたたかい。

たとえば発芽といえば生命力に満ちた力強さや若々しさを思いがちだが
私はどちらかというと
ひっそり伸びゆくモヤシが闇夜に白光りする光景だとか
無言に急速に張り巡らす菌糸の息づかいだとか
むしろそういう陰の静かな力を連想する。

近年立体作品も加わり、
眼の前に現実の形として存在することで
「平面」と「鑑賞者」との距離がとりはらわれ
人の持ついとおしいという感情のふところに
ダイレクトにするりとすべりこんでくるかのように感じます。

さて今回の展示ではテーマはこれまでと一貫していながらも
対象を観察する眼はやはり少しずつ変化している印象をうける。

まず、淡い色調の作品でまとめられた印象です。まるで綿毛のような…
これがナリも性も武将の如き大ひげの男が生み出したものだというから
つくづく驚くのだ。

そして
かつては植物たちが昼夜問わず
おどけ ざわめき 無邪気にたわむれ
画面の中に「生息」しているイメージだったが、
徐々に、見えたり消えたりつかめない
それでいてなんとなくそこにいるぬくもり、
やわらかな存在を感じるようになってきたように思う。

展示方法も額を取り去り、
壁面からやや浮かせた状態で固定。
作品がガラスで遮断されていないので、紙の質感が目に温度として伝わる。
また和紙の端の毛羽立ちや壁面に映る影、
それらも受ける印象に一役かっていそうです。

オランダの美術学校修了後帰国して以来、多忙を極める彼ですが
今後の活動が楽しみです。

なお神保町文房堂ギャラリーにてグループ展「版画の色ーリトグラフ」も展示中。

近藤英樹 版画・立体
2010  5/24(月)~29(土)
12:00〜19:00(最終日:17:00まで)

東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビルB1F
巷房kobo

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